Windows3.1の頃の製図ソフトウェアで、三角法できっちりした図面を書くのに重宝していた。つまり、tscadrawは、いわゆる「お絵かき」ソフトではなく、そのため、ペインティングや陰影などの機能はない。代わりに、ハッチングや、寸法線などの機能が高い。ドイツ製のシェアウェアで、日本国内でも流行っていたらしく、カナ入力のオプションデータが販売されていたこともある。
すべての寸法や位置を、マウスによるドラッグでも数値入力のいずれでも入力可能なのが大変使い良い。今でも工場へ出す図面は全て"Tscadraw2.20e"で描いている。
- フランジのネジ穴、中心線
- 特殊な形状の断面のハッチング
- 誤差入り寸法線、直線、半径、直径
- 円弧、直線の接点でのカット
これまで15年間のあいだに、TSCADRAWで製作したクライオスタットは一体、何台になるだろう。
ところがしかし、2.20から3へバージョンアップ、カラー化された際に、製図機能がないがしろにされてしまい、反対にお絵かき機能が満載されてしまった。直線を描くときもF8一発で方向と長さをキーボード入力、という硬派な使い方が出来なくなった。もちろん、巷にはお絵かきソフトなどゴマンとあるので、そんな付け焼刃的バージョンアップは逆に顧客離れを引き起こし、TommySoftwareという会社自体なくなってしまった。今となっては検索しても全くひっかからない。おまけに16ビットソフトウェアなので、最近購入したWindows7のPCでは動かず、腰を抜かした。あわてて、仮想マシンXPをインストールして、コピペでtscadrawを仮想マシンのprogram filesに持って来てようやく動かすことが出来た。
〔メモ〕
TommySoftware CAD/DRAW,Latest update:15 Oct 1993
(日本でのディストリビュータはPersonal Data Factory)