落語「ぜんざい公社」は、ぜんざいを食べに来た客に、申請書とか年収とか、餅を焼くなら火気使用許可願いとか、役所の理不尽さを存分にからかった、有名な噺である。噺のサゲは、お客は一応、ぜんざいにありつけることができたが、一向に甘くない。甘い汁は全部、公社が吸いました、と言う一昔前の役所の体質を面白おかしく著している。
ぜんざい公社の客は、幸いにも、甘くはないものの、一応、あずき入りのぜんざいを食したのだが、最近、とうとうありつけなかったあげくに、「食べなかった場合は理由書を出せ」と言う新作の噺を聞いた。ちょっと恥ずかしい。